流行通信 2000年10月−12月 |
365日のバースデーテディ
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![]() 女の子たちはスーパーマーケットやコンビニでチョコレートを買いますが、箱の中から真っ先に取り出すのはチョコレートではありません。ぬいぐるみの小さな熊です。そして、それについているタグを開いてみて大喜びしたり、がっかりしたり……。箱の残り半分を占めているチョコレートは、しばらく時間がたつまで気づかれません。 小粒チョコの箱にいっしょに入って売られているのは、大きさが約8センチのぬいぐるみ「365日のバースデーテディ」です。彼女たちが見て喜んだりがっかりしたのは、このテディベアの誕生日だったのです。名前のとおり365種類のテディベアがそろっていて、それぞれに名前と誕生日を持っています。例えば、2月5日生まれは「ユミ」、10月10日生まれは「リカ」、12月19日生まれが「Jimmy」と、名前と誕生日を印刷した小さなタグが付いています。柄も、チェックやパッチワーク風、アニマル柄などのものがあります。 ![]() ところが、ここに難関がひとつ。テディの柄(姿)は箱の窓を通して見えますが、誕生日は箱を開けないとわからないことです。誕生日と名前が印刷されたタグは、箱の中で折りたたまれているからです。みんな店先で、箱を傾けてみたり、お気に入りの柄を探したりと、大変です。でも「手作りのぬいぐるみがかわいいし、値段も180円と安いから」と言って、彼女たちは目的のテディに当たるまで夢中になっていくつも買いつづけてしまうというわけです。 ![]() 売れ行きに驚いた菓子メーカーは、ついに自社のホームページに365種類のテディの名前と誕生日をカラーで紹介しました。これで、目的のテディーだけを買うことができるようになったわけです。ところが、それでも売れ行きは衰えません。大阪を含む関西地区ではやっと2001年の1月16日に売り出されましたが、やはり生産が追いつかず、発売開始から7日後の23日には販売休止となってしまいました。この爆発的な人気は、いったいいつまで続くのでしょうか。 写真:(上)左から、「ナオミ」「トシ」「カナ」と「チカゲ。」; (中)(下)チョコレート1箱につき、テディベアが一つ入っています。 |
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